膨張する金融
世界の株式市場の相次ぐ調整を目の当たりにして、それをむだなことあるいは偶然的なことと考えたり、神の判断とみなすことも、まったく不当であるように思われます。
これらの動きには偶然的なものはなにもありません。
それが金持ちの苦悩の引き金になることを除いては、そうなのです。
金持ちにおける苦悩の存在と損害は、もしもかれらの富の源泉の1つをそこに見るべきでなければ、不可解なことでしょう。
実際、金融領域の膨張がつぎの2つの方向で効果を発揮するのは避けられません。
1つは、長期的成長の維持と短期の信用膨張の起爆剤としての効果であり、もう1つは、熱狂の緩和策としての効果です。
周知のごとく、この熱狂を別の方法で矯正することはできない、公的な介入が減少しているだけに、なおさらでしょう。
実際、われわれは短期の景気変動における新しい形態学の時代に入ったのです。
その特徴は、旧来のジュグラー循環とも、また第二次世界大戦から60年代末まで続いた穏やかな痙攣とも、異なっています。